
釧路高専の流体工学研究室について簡単に紹介します。本研究室は、機械工学分野に所属する一つの研究室です。主に風洞(ふうどう)という人工的に空気の流れをつくる実験装置を利用した研究活動や流体工学を題材とした工学教育活動、そして流体を題材とした出前授業を行っています。
本研究室で所有している実験設備を紹介します。
本研究室で一番大きな風洞です。アクティブ・グリッドと呼ばれる特殊な装置を装着した風洞で、大気の流れと同じような現象をこの実験装置内で再現できます。現在は煙の拡散実験に使用されています(卒業研究で製作)。
本研究室で2番目に大きな風洞です。最大風速20m/sを出すことができ、卒業研究や学生の工学実験などに活躍しています(一部、卒業研究で製作)。
直径200mmの円形ノズルから最大風速23m/sを出すことができます。主に4年生の工学実験で物体に作用する流体抵抗を測定する実験に使われています。
ピトー管:流れの圧力を測定して流速を求めます。
(旅客機の前方にも付属しています)
熱線流速計:髪の毛の1/10程度の細さの金属線に電気を流して加熱します。そこに流れがあたると冷やされて金属線の電気抵抗が変化することで流速を求めます(卒業研究で製作)。
高速度カメラは簡単に言えば、スローモーション撮影できるカメラの事です。現象が速すぎて目ではっきりとらえることのできない現象を撮影することができます。最大で1秒間に86,400枚の画像を取得できます。
可視化実験では現象を見やすくしたり、高速度カメラを使うと、暗く映ってしまうので、強い光をあててはっきり見えるようにします。この時に用いられるのが照明装置となります。
レーザー光源装置。強力なレーザー光を薄いシート状にして流れの断面を主に観察する時に使います。
強力LED光源。実験対象全体を明るくして高速度カメラで撮影する場合に利用します。
空気の流れを見るときに煙を使うことが良くあります。空気砲でもよく煙を使っていますね。学校祭などのイベント時にもこの装置は大活躍しています。
比較的大量の煙を発生することができる機器とハンディタイプで少量のあまり熱くない煙を発生できる機器があります。
写真のような可視化写真を撮る場合に用いられる装置です。電気を流す時間やストロボを発光するタイミングを調整できます(卒業研究で製作)。
可視化した画像をコンピュターで解析することで流速を求めることができる流速計です。渦輪の解析結果例をご覧ください。矢印がたくさん見えると思います。いろんな場所の流速情報(速さと向き)を一度に得ることができる優れものです。