試作段階の全体構成がまとまったら, 形状・配置・配色を微調整する他, テクスチャ・フィニッシュ等を追加し, 作品の完成度を高めて行こう.
また,作業の最終段階では, 画像のサイズと品質についても調整しよう.
作品を完成せよ. (今回は提出に必要はない. 次回,作品紹介用ウェブページとともに提出予定.)
進捗状況を報告せよ.
通常の照明方法(点光源や平行光源)では, 物体の影の輪郭が極めてシャープとなり過ぎてしまい, 非現実的である. もちろん,漫画的な世界を表現したい場合にはこれでも構わないが...
現実世界同様にソフトな影を表現したければ, 面光源を利用するとよいだろう:
light_source { <基準位置> ...// parallel// 平行光源(通常レンダリング用) area_light <頂点1>, <頂点2>, 横の個数,縦の個数 // 面光源(高品質レンダリング用) // jitter // 影をボカしたい場合... // circular // 光源を楕円形状にしたい場合... ... }
これで,基準位置を中心として,長方形状に複数の点光源が配置される. 配置する光源の個数を増やせば,より現実的な画像を作り出せるが, その分,レンダリングには長い時間がかかってしまう. 面光源の利用は,作品制作の最終段階だけにしておこう.
標準状態では,すべての物体は影を伴う. しかし,例えばポスター等では, 文字(text オブジェクト)の影が他の物体に重なってしまい, 見栄えが悪くなる場合がある. また,マンガ的に表現したい場合にも,影をつけたくないだろう.
というわけで,オブジェクト毎に影を消すことも可能:
object { ... no_shadow // このオブジェクトの影を消す }
シーンファイル:
camera { ... right 2.0*x // 横2:縦1 にする場合(標準は横4:縦3 → 1.33*x) }
レンダリング:
$ povray +W1600 +H1200 ... # 横1600×縦1200 画素にする場合(標準は横800×縦600)
![]() 320x240 |
![]() 320x160 |
なお,シーンファイル内に指定した比率と レンダリング時に指定した比率とが一致していない場合, 画像がゆがんでしまう.注意しよう.
画像のサイズを大きくすると, レンダリングに時間がかかるので, 最終段階だけにすべき.
逆に, 制作途中の試行錯誤で何度もレンダリングを繰り返す場合には, 画像のサイズを小さくするとよい.
$ povray +A0.1 ... # 解像度10倍にする場合(標準は +A1.0)
![]() +A1.0 |
![]() +A0.1 |
解像度を高めれば,斜線・曲線・模様のギザギザが目立たなくなる. しかし,レンダリングに時間がかかるので, 最終段階だけにすべき.