公開:2025.03.26
更新:2026.04.11, 2026.04.20
Windows でも Linux!!
主な対象ユーザ:釧路高専の学生および教職員
BYOD(bring your own device)の Windows な PC でも
KJLE(kushiro joho linux environment;
釧路高専J分野ラボと同様な Linux 環境)
を再現できますか?
はい,最近の Windows の標準機能「WSL2」を使えば,
Linux 環境を容易に用意できてしまいます.
Linux と Windows は,
永らく敵対関係にありましたが,
今や共存関係に至っているようです.
具体的な作業方法は,バージョンや実施時期によって多少,異なると思われます.
本ページの内容は,Windows 11 Home Ver.25H2 を対象として,
2026年04月11日以降に動作確認した結果に基づくものです.
(
Windows 10 版 もあります.)
MacOS では?
おそらく,同様な環境を用意できないこともないようです.
担当教員は,ほぼ常に Linux を使用しています.
Windows は極稀に仕方なく使用,
MacOS は不使用.
はじめに:Linux とは無関係な一般的な注意事項
自宅等で事前に必要な作業
学校の授業中に作業中断を強いられないように,
昼間の Windows Update を停止すべきでしょう.
学生諸君は,Update したければ,
自宅等で暇な時に実施しておこう.
【学生限定】学内ネットワーク接続に必要な作業
学内ネットワークへの接続には,
無線 LAN の利用が必要なようです.
学外では利用不可.
多分,実質的には,学内ではなく,
学外ネットワークとして取り扱われます.
学内向け URL には接続できません.
【教職員限定】学内ネットワーク接続に必要な作業
学内ネットワークへの接続には,
無線 LAN とプロキシの利用が必要なようです.
Linux 環境の構築
第一段階:最低限の環境構築
- Linux の導入〜アカウント設定:
Linux 用のユーザ名・パスワードの文字列
(半角英数字,8文字以上)については,
各自で決めて入力してください.
- 田 ▶ ターミナル[右クリック]▶ 管理者として実行する
Windows PowerShell # ターミナル窓内でPowerShell環境が開始
PS> wsl --install # Linux(Ubuntu)を導入
... # 数十秒〜数分を要す
Create a default Unix user account: ユーザ名 # Linux用のユーザ名を設定
New password: パスワード # Linux用のパスワードを設定,8文字以上
Retype new password: パスワード # パスワードを再入力
... # この先はLinux環境になります
WSL$ exit # Linux環境を終了
... # PowerShellに戻ります
PS> Restart-Computer # PCの再起動
- Linux 端末の開始:
- 田 ▶ Ubuntu
Linux 端末を開く.
システム起動には数秒〜数十秒を要す.
端末が開いたら,
タスクバー内のアイコンを右クリックし,
ピン留めしておくと吉.
第二段階:端末の環境整備
作業効率確保のため,
Linux 端末のユーザインタフェースについて,
Windows 側の設定を調整しておきましょう.
特に,文字のサイズとフォントについては,
「0(ゼロ)」と「O(オー)」,
「1(イチ)」と「l(小文字のエル)」と「I(大文字のアイ)」,
等の違いが曖昧なものを使っていると,
作業ミスが連発してしまいますよ.
各自が判読しやすい状態に整えると吉.
- 端末の設定例:
- タイトルバー内の v ▶ 設定
- 既定値 ▶ 外観
- フォントフェイス:Cascadia Mono
- フォントサイズ:16
【教職員限定】第三段階への準備(学内作業の場合)
ソフトウェア追加はネットワーク経由なので,
学内で作業している場合には,
Linux 側でもプロキシの設定が必要なようです.
Linux のプロキシ設定には手間がかかるし,トラブルも発生しがちです.
ソフトウェアの追加導入については,
自宅等で暇な時に実施しておくと良いでしょう.
(働き方改悪.)
$ read UN
ネットワークユーザ名 # 学内ネットワーク用のユーザ名を入力
$ read -s PW
ネットワークパスワード # 学内ネットワーク用のパスワードを入力
$ export http_proxy=http://$UN:$PW@proxy.gcc.kushiro-ct.ac.jp:8080 # プロキシの環境変数を設定
この端末を開いたまま,次の段階へ進もう.
もし,端末を閉じると,環境変数もクリアされてしまいますよ.
もし,ネットワークパスワードの文字列に
特殊記号
(URL 的に特別な意味を持つ「:」,「@」,「/」,「!」,等)
が混入していると NG...
パスワードを適切な文字列に変更すべき.
(
本校ネットワークパスワード変更では,
いくつかの記号の利用が OK とされていますが,
現実的には,英数字だけにしておくのが無難.
記号を使うにしても「-」か「_」の二択.)
それでも,どうしてもパスワード変更せずにプロキシ設定したい場合,
URL エンコード(ネットワーク上で利用可能な文字列に変換)すれば可能です.
例えば:
- 手動変換:
ASCII文字とURLエンコードの対応表を利用させていただき,
変換したパスワード文字列
をread -s PW する.
(変換前「Ab!23」→変換後「Ab%2123」)
- 自動変換:
URL エンコード・デコードを利用させていただく.
(しかし,パスワードをインターネット中に晒してしまうことになりかねませんよ.
記号部分だけを入力・変換すべきでしょう.)
意味を理解できない場合,素直に
パスワード変更(英数字のみ,記号なしに)してくださいね.
第三段階:環境整備
- ソフトウェア管理情報の更新:
$ sudo -E apt update -y
第三の単語 apt 以降がソフト管理用のコマンドです.
先頭の単語 sudo で「管理者として実行してね」,
第二の単語 -E で「環境変数も利用しますよ」と指示しています.
なお,学外ネットワークでプロキシ不使用の場合,-E は省略可.
更新できない場合,ネットワークのトラブルが原因と思われます.
教職員が学内で作業しているなら,
プロキシ設定を見直してください.
または,あきらめて自宅等で作業...
- 導入済みソフトウェアの更新:
学生諸君は,時間節約のため,授業中の upgrade は不要.
気になる人だけ,自宅等で暇な時に実施しておこう.
$ sudo -E apt upgrade -y
- 日本語環境の整備:
英語のできる高専生なので?省略 OK.
$ sudo -E apt install -y language-pack-ja manpages-ja* # 日本語環境を導入
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF8 # 日本語環境を有効化
$ sudo dpkg-reconfigure tzdata # タイムゾーンを設定
▶ アジア ▶ 東京 # キー[↑],[↓],[↵]で選択・決定
タイムゾーンの変更は即座に反映されます.
言語の変更は,新規の Linux 端末から有効になります.
- 実習用ソフトウェアの導入:
- エディタ:
次のような人にとっては導入不要です:
- CLI(端末内でキーボード操作だけな)エディタ
vim とか nano を利用するぜ.
- Windows 標準の notepad.exe(メモ帳)があれば充分だぜ.
$ sudo -E apt install -y gedit
gedit は,初心者向け GUI(端末外の別窓でマウス操作が可能な)エディタです.
- CG 関連:
主な対象学生:2JM,1KS
$ sudo -E apt install -y povray imagemagick
POV-Ray は 3DCG 画像を生成するためのシーン記述言語,
ImageMagick は画像処理ツールの詰め合わせセットです.
- C言語関連:
主な対象学生:3JM
$ sudo -E apt install -y gcc libncurses-dev
gcc はC言語のコンパイラや標準ライブラリの詰め合わせセット,
ncurses は端末制御ライブラリです.
他に必要なものがあれば,
YOD(your own device:あなた所有の PC)なのですから,
各自で自由にインストールして構いません.
ただし,それらは担当教員のサポート対象外です.
- Linux の起動時間の短縮:
余計なお世話なプログラムの自動起動を抑止し,
システム全体の負荷を軽減しておきます.
システム設定ファイルの内容をエディタで編集しますが,
gedit を導入していない場合,
notepad.exe や nano とか vim で代用してください.
$ sudo gedit /etc/wsl.conf
[boot]
#sytemd=true # コメント化
sytemd=false # 追加記述
...
編集後,gedit ならば,
GUIボタン[保存] or キー[Ctrl]+[S] で保存,
GUIボタン[×] or キー[Ctrl]+[Q] で終了.
用途がプログラミング実習とかなら,この設定内容で OK でしょう.
しかし,ネットワークやシステムの管理実習とかなら,
この設定内容では NG かも知れません.
- 共有フォルダの作成:
Windows と Linux 環境との間で
同じファイルを使い回したい場合が多々あります.
典型例としては,
Windows 側のブラウザで素材をダウンロードし,
Linux 側で加工し,
その成果物を再び Windows 側でアップロードとか.
なお,Linux 側で全てを実行してしまう手もありますが,
負荷とか容量とかは気になりますね.
という訳で,共通利用可能なフォルダの作成・利用が吉.
- Windows 側:
共有用のフォルダを作成しておく.
- 📁エクスプローラー ▶ ドキュメント ▶ 新規作成 ▶ フォルダー:WSL
このフォルダの実際のパス名は,ユーザ毎に異なります.
Windows 側では,標準的には,
C:\Users\ユーザ名\Documents\WSL
のハズです.
(実際のパス名を確認するには,
エクスプローラーでフォルダ WSL を右クリックし,
プロパティを開いてください.)
一方,Linux 側では,
/mnt/c/Users/ユーザ名/Documents/WSL
とかになります.
なお,この ユーザ名は Windows 用のものですよ.
上記のパスは標準設定の場合です.
個別の状況に応じて適切に読み替えてください.
特に,A分野出身学生は,
ドキュメントフォルダを,PC 内ではなく,
クラウド OneDrive に置いているようです.
(しかし,これはいかがなものかと...
ローカルにないと,ネットワークトラブルの際に困りますよ.)
- Linux 側:
パス名が長すぎてコマンド入力に不便すぎるので,
共有フォルダへのシンボリックリンク(ショートカット)を
作成しておくと吉.
$ cd # ホームディレクトリへ移行
$ ln -s /mnt/c/Users/ユーザ名/Documents/WSL ~/. # シンボリックリンクを作成
$ ls -F # 作成できたか確認
... WSL@ ...
$ ls -ld WSL # 参照先を確認
... WSL -> '/mnt/c/Users/ユーザ名/Documents/WSL'
$ cd WSL # 動作テストのため共有フォルダへ移行
$ echo "hello" > test.txt # テキストファイルを作成
$ ls # 作成できたか確認
test.txt
$ cat test.txt # ファイルの内容を表示
hello
Windows 側でも,このファイルが見えますか?
エクスプローラ等で確認できたら,
ファイルを削除して構いません.
$ rm test.txt # ファイルを削除
$ ls # 削除できたか確認
# はい,消えた
Linux 環境の利用
開始・終了
おわりに:Linux 環境の廃棄
自己責任で廃棄
履修取消などで不要になった場合,
Linux 環境のアンインストールも可能です.
廃棄すると,Linux 上で作成したファイルも消失し,復元できませんよ.
熟考してから実行してください.
- 田 ▶ ターミナル[右クリック]▶ 管理者として実行する
PS> wsl --shutdown
PS> wsl --unregister ubuntu
田 ▶ ⚙設定 ▶ アプリ ▶ インストールされているアプリ ▶ Ubuntu ▶ アンインストール
おまけに:Mac でも Linux!?
自己責任で模索
担当教員は非マカーなので,Mac はサポート対象外ですが...
Mac でも,多分,Windows と同様な KJLE を再現できるようですよ.
MacOS のアプリ「ターミナル」を開けば,そこはすでに Linux だった.
正確には,Linux ではなく「Darwin」とのことです.
Windows の場合とは状況が異なり,共有フォルダの設定とかは不要です.
実習用ソフトウェアの入手元としては,
App Store ではなく,
Homebrew
を利用させていただくと良さげなようです.
ソフトの導入コマンドは,
Ubuntu では
sudo -E apt install でしたが,
Homebrew では
brew install のようです.
(学内で作業する場合,多分,
プロキシ設定
も必要でしょう.
また,コマンドの先頭に
sudo -E も
付けるべきなのかもしれません.)
自力で解決できない場合,素直に Windows PC を使ってくださいね.
その他の解決策:OS 仮想化ソフト(VirtualBox 等)を利用し,
そのゲスト OS として Linux をインストールする.