道内高専数学フォーラム HKMF2001
- 2001年8月18日(土)〜20日(月)
- 会場 : 由仁町、「ユンニの湯」
- 出席者 9名 (あいうえお順、敬称略)
- 東 正慶 (釧路)
- 池田 盛一 (釧路)
- 竹花 靖彦 (函館)
- 富永 徳雄 (旭川)
- 中島 正美 (函館)
- 新田 一夫 (函館)
- 林 義実 (釧路)
- 山崎 俊博 (釧路)
- 山田 敏清 (旭川)
- 話し合われたこと
- 第3学年対象数学標準テスト
- 出題校は釧路高専。(輪番による)
- 出題の範囲について、旭川高専がまとめた「長岡技科大」と「北見工大」の
入試問題(過去5年分)が参考資料として提出され、それらの内容も考慮した上、
作成することが良いのではないかという意見があり、それを次年度に取り入れる
方向で検討することになった。
- 実施時期・方法は例年と同じ。
- 新入生対象「実力テスト」
- 誤答数について(函館・中島)
試験結果の特徴が資料にもとづき説明された。
そのうち「2次方程式の解の公式」を使う設問の誤答数が高いことが
指摘され、中学校での授業内容削減完全実施に伴い、この誤答数の推移に
注目していくことが重要である。
- 平成12年度入学者の追跡調査(旭川・富永)
詳細な資料をもとに、「中学内申点・入学試験・実力テスト・第1学年末評価・
第2学年診断テスト」の追跡を行った報告がなされた。
- 平成12年度および13年度入学者の追跡調査(釧路・池田)
釧路高専の2000年入学生について、入学時の「実力テスト」と進級後の「診断
テスト」の結果の変化、また、2001年入学生について、入学時の「実力テストと
「前期中間試験」の結果の変化を、クラス別に色分けしたグラフをもとに
説明があり、一部のクラスを除いて、ほぼ一様に低下する傾向が見られるという
報告があった。
- 第2学年対象の「診断テスト」
- 釧路高専では新学期初めに特別時間割が組まれるので、次年度もその中で
「診断テスト」を実施する。
- 旭川高専ではそのような特別時間割というものがないが、授業の変更を
やりくりして実施したい。
- 函館高専では一部のクラスで実施する。
- 次年度の出題校は釧路高専とする。
- 共通テストの分析
- 新入生対象「実力テスト」、2年生対象「診断テスト」、
3年生対象「標準テスト」を今後も継続することが再確認され、
さらに今後それぞれの結果を分析し、報告する(論文としてまとめ、
投稿する)ことで意見が一致した。
- 新入生対象「実力テスト」については、問題別の正答数などのデータが
あるので、さらに次年度の結果も追加することで、ある程度まとまった
ものができる状態にある。その作業は旭川高専が中心となって行う。
- 3年生対象「標準テスト」については、その実施実績が非常に長いにも
かかわらず、項目別の集計データが残っていないため、どのように
分析したら良いか議論された。その一つの方法として、林(釧路)から
「分散分析法」の事例報告があり、その方法を用いて試みにやってみる
ことになった。
- 確認事項(ユンニの誓い)
「今後すべての共通テストについて、採点集計の際、正答数・誤答数・
無解答数・部分的に解答した数のデータを記録保存する」
- 授業に関すること
- グラフ電卓で挑戦させた問題例。(函館・新田)
数に対する新鮮な驚きを学生に与え、
授業内容への関心をより深く持たせるために、
1クラス分の「グラフ電卓」を購入し、
役立てている事例が紹介され、実際に使用したプリントが配布された。
- 行列式の導入について(旭川・山田)
サラスの方法で2次・3次の行列式の値を求めることを知っていれば、
特に行列式の定義や計算上の性質などを説明することに時間をかけずに、
授業を進めていけるので、その導入には深入りしなくても良い旨の説明が
なされた。
- 混合授業クラス別の成績について。(富永・旭川)
旭川高専では昨年度から、1年生の数学の一部の授業で「混合授業クラス」を
作り、入学時の専門学科別による格差をできるだけなくして、平等な授業を
行っている。そこで共通に行った数学試験結果について、分析した資料の
説明があった。それによると、平等化した成果が確かにある反面、
授業担当教師による差が現れたことも分かった。
- 補習について。(旭川・山田)
通常の授業と平行する補習のほかに、いわゆる「仮進級」した学生に対する
補習もあり、非常に多忙である実情が紹介された。
また、最後の成績評価に関わる段階での「補習」について、
授業担当者としてどのような姿勢で学生に向かうべきか、
その際、個々の教師によって対応がマチマチでは良くない、
などの問題点が指摘された。
- 釧路高専における数学の補習について。(釧路・池田)
珍しい補習の仕方として、釧路高専では各専門学科から選ばれた教官を講師に、
定期試験での数学の成績不良者(1年生)に対する定期的な補習体制が確立して
いる紹介がなされた。なお、この補習に関わる数学教官の役割は「補習の対象
学生の選定」と「補習プリントの用意」だけであるが、
適宜講師としての応援もしている。
- 基本事項の徹底による事例報告。(釧路・山崎)
成績評価に直接関係しないテストとして、基本事項を身に付けさせるための
小テストを頻繁に行い、かなりの成果が得られている事例が紹介された。
その一つの顕著な例として、ある学生が数学に非常な興味を持ち、
また優れた数学的才能を示していることの実例報告があった。
- 大学編入に対応したテキストの紹介。(釧路・林)
前回のフォーラムで紹介したテキストの最新版を紹介した。
- その他
- 中学校の先生の任意参加について
- 情報交換
- 試験問題の保存形態とその共同利用の可能性について
- 来年度のフォーラム実施時期・場所の確認
アルバム
(右の集合写真)
(後列)東、山田、池田、山崎、富永
(前列)竹花、中島、林、新田
| 戻る |