特別講演「MOMO 成功までの道のり」(IST金井氏)を開催しました
高専祭初日の令和元年10月19日(土),機械工学分野が一般市民や本校学生を対象に特別講演会「MOMO 成功までの道のり」を開催しました.
講師は,今年5月,民間ロケット(MOMO3号機)として国内初の宇宙空間までの打ち上げに成功したインターステラテクノロジズ(IST)の金井竜一朗氏.金井氏はプロジェクトの開発統括者であり,言わばMOMOの全てを知るエンジニア.学生時代は,大学院で機械宇宙工学を専攻し,小さい頃からの夢だったロケット開発ができる会社に就職されました.
講演では,成功までの苦難の道のりとして,打ち上げに失敗したMOMO2の機体の残骸を前に,「失敗を成功の糧にすることが大事であり,決して夢を諦めることなく,社員全員が一丸となって英知を結集し,根気よく努力すれば,こんな小さな会社でも目標を達成できる.ロケットはMOMOのように全て民生部品で作ることもできる輸送機器であり,決して特別なものではない」という力強い言葉に多くの聴講者が感銘を受けたはずです.そして,学生に対して「ロケットは総合工学であり,本校の5分野と密接な関係があり,しっかり勉学頑張って欲しい」とエールを送られた.確かにロケットの要素技術である流体力学,燃焼,構造力学,材料,制御は,本校の機械工学の専門科目としてそのほとんど学ぶことができます.講演後も,数名の聴講者が会場に残り,金井さんと会話する様子が多く見てとれ,非常に貴重な講演会であったことが伺えた.
ISTとは,今年度から卒研テーマとして共同研究を始めており,今後,機械工学分野としては多くの接点が見出せそうであり,共に成長できる可能性があると感じた.