本校の「生産情報システム工学」教育プログラムが、2007年5月14日付けで「日本技術者教育認定機構(JABEE:Japan Accreditation Board for Engineering Education)」によって認定されました。このJABEEの認定を受けることで、本校の技術者教育プログラムは、社会や国際的な要求水準を満たしていることが客観的に証明されたことになります。技術の急速な進歩と産業構造の国際化に伴い、技術者教育の質的同等性の国境を越えて相互に承認し合う必要性が認識され、そのための国際的な協定としてワシントンアコードが1989年に締結されました。その協定には、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、香港、シンガポールなどのそれぞれの国や地域を代表する技術者教育認定機構が加盟しています。JABEEは日本の代表として2005年にワシントンアコードへの加盟を果たし、JABEEによって認定された国内の技術者教育プログラムはワシントンアコードを通じて広く世界に公表され、国際的にも認知されることになります。本校の「生産情報システム工学」教育プログラムの修了者は学士であると同時に、国際的な技術者資格である技術士の第一次試験が免除されます。
本校は、国際的にも通用する実践的な技術者の育成を目指して、2004年に専攻科の設置と同時に本科4、5年(一部は3年の科目を含む)と専攻科2年より構成される「生産情報システム工学」教育プログラムを設立しました。本校の専門技術者教育が国際水準以上であることを広く社会一般に示すため、本校の「生産情報システム工学」教育プログラムのJABEE認定に向けて、10年前より様々な教育改善活動を実施していました。その活動成果により、地域や社会要求を反映した教育プログラムの理念と国際水準の学習・教育の目標の決定、実践かつ理論的なカリキュラム及び効果のある評価基準の設定、入学者に対する期待像の策定を行いました。また、従来から実施してきた学生への支援体制の多様化や教育点検・改善システムの更なる強化を図り、JABEE認定審査基準以上の学習教育システムを確立しました。今後は、本教育プログラムの推進と発展並びに更なる教育改善を図り、21世紀の新しい環境に相応しい技術者教育システムを構築していくことを教職員一同の決意といたします。
皆様には、今後とも本校教育プログラムへの御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
専攻科長 神谷 昭基
JABEEに関する詳細につきましては、日本技術者教育認定機構(JABEE)のホームページをご覧ください。
JABEEホームページhttp://www.jabee.org/
教育プログラム名 : 生産情報システム工学
英 名 : Industrial and Information Systems Engineering
分 野 : 工学「融合複合・新領域」
本校教育プログラムでは、「創造力、問題発見・解決能力をもち即戦力となる技術者」、「地域の社会的・技術的要請に応え、地域と連携し、地域に貢献する技術者」の育成を大目標として掲げております。
教育プログラムで養成する技術者は、本科の機械工学、建築学、電気工学、電子工学、情報工学それぞれの専門分野および周辺分野に関する問題発見・解決のためのデザイン能力に加え、高い情報処理能力を持つ技術者であり、日本と世界の歴史的・文化的理解の基に、科学技術が自然や社会に及ぼす影響を考察し、常に技術者としての社会的責任を自覚する倫理観を持ち、地域貢献に対して高い意識を持つ技術者です。
このように、本校の教育プログラムでは、専門分野を越えた多角的な視点を持ち、多様な技術的課題を分析・解決する能力を持った技術者を養成することを目標としております。
本教育プログラムでは、本科2年間と専攻科2年間の合計4年間における教育によって、「創造力、問題発見・解決能力をもち即戦力となる技術者」および「地域の社会的・技術的要請に応え、地域と連携し、地域に貢献する技術者」の育成を大目標にしております。
その実現のために、7つの項目を学習・教育目標として設定しました。
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本教育プログラムにおける学習・教育目標は、本校の教育理念、本校における教育目標、各学科における教育目標、専攻科各専攻における教育目標などを基盤として、生産情報システム工学プログラムの基本的な考えに沿って設定されております。
【JABEE基準】
なお、JABEE基準の(d)では工学(融合複合・新領域)関連分野の分野別要件として次の基準があります。 【分野別要件】
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学習・教育目標(A)-(G)とJABEE基準の(a)-(h)との対応関係を表にしたものが、以下の表です。後述するように7つの項目からなる学習・教育目標を達成することで、教育プログラムの修了生はJABEEに定められた(a)〜(h)の知識と能力を有することが保証されるようになっております。
学習・教育目標とJABEE基準の(a)-(h)の対応表
学習教育目標 | JABEE学習・教育目標 基準 | |||||||||||
(a) | (b) | (c) | (d) | (e) | (f) | (g) | (h) | |||||
1 | 2-a | 2-b | 2-c | 2-d | ||||||||
(A) | ◎ | ◎ | ||||||||||
(B) | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | |||||
(C) | ◎ | ◎ | ||||||||||
(D) | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ||||||||
(E) | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | |||||||
(F) | ◎ | |||||||||||
(G) | ◎ |
◎は主体的に含んでいる
○は付随的に含んでいる
本教育プログラムは、学生に本校の学習・教育目標(A)〜(G)を達成させることで、JABEE基準を満たすように構築しております。
高等専門学校は、中学卒業生を受け入れ、5年間の一貫教育を実施しております。本教育プログラムは、一部本科第3学年に配当された科目の履修を含む本科第4・5学年(プログラム1、2年)と専攻科第1・2学年(プログラム3、4年)から構成されており、本プログラムの履修に先立ち、既に専門学科第1〜3学年(高等学校の学齢に相当)が存在し、一般教育と専門教育を、いわゆるクサビ型に配置した教育を実施しております。
本校の教育プログラムの特色は、情報技術を基礎技術として位置づけ、機械・電気・電子・情報・建築の専門及び周辺分野に関する問題解決・デザイン能力に加え、情報処理能力の育成に重点をおき、国際的に通用する技術者の養成を目的とした教育体系にあります。
本校の教育プログラムの科目構成は、一般科目と専門科目に大別され、さらに専門科目は専門基礎科目と専門工学科目で構成されております。一般科目は、数学系、自然科学系、人文・社会系、外国語系の科目で構成されている。専門基礎科目は、情報系、設計・システム系、材料・バイオ系、力学系、社会技術系で構成されている。専門工学科目は、専門応用系、工学実験系、問題解決系および実務対応系の科目で構成されております。
本校の教育プログラムは、「社会人として必要な集団活動の規範、国際社会で通用するための視野と教養を身につけること」、また、「工学の幅広い基礎知識を習得し、専門分野ばかりではなく、境界分野の知識・技術の修得を継続的に行う習慣を持つこと」、さらに、「身につけた知識・技術を問題解決に応用できる創造性豊かな実践的能力を持つ技術者を育成すること」を目指した教育プログラムです。
本校における工学(融合複合・新領域)は、工業生産において発生する、複数の領域にまたがる問題を、創造性を発揮して解決するために必要な知識・技術です。
本プログラムは、工業生産に携わる技術者を養成するためのプログラムであり、修得すべき専門分野の内容として、情報技術を共通基礎技術とし、機械・電気・電子・情報・建築の専門および周辺分野に関する問題解決・デザイン能力に加え、情報処理能力および国際的に通用するコミュニケーション能力を持つ技術者の養成を目的とします。
(生産情報システム工学」教育プログラム相関図)
「技術士法」に基づいて行われる国家試験(「技術士第二次試験」)に合格し、登録した人だけに与えられる称号です。国はこの称号を与えることにより、その人が科学技術に関する高度な応用能力を備えていることを認定することになります。
一方、「技術士補」は同じく「技術士法」に基づく国家試験(「技術士第一次試験」)に合格し、登録した人だけに与えられる称号です。技術士補は、技術士となるのに必要な技能を修習するため、技術士を補助することになっています。
なお、技術士および技術士補は、技術者倫理を十分に守って業務を行うよう法律によって課されています。また、(社)日本技術士会で技術士倫理要綱を定めています。
文部科学省が毎年実施する国家試験(技術士第二次試験)に合格すれば技術士になれますが、この試験を受けるには、
以上のうち、いずれか1つを満たすことが必要です(技術士法第6条)。
技術士第二次試験は21の技術部門があり、文部科学省の指定試験機関である(社)日本技術士会が実施しています。
技術士法第三十一条の二第二項には「第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者は、第四条第二項の規定にかかわらず、技術士補となる資格を有する。」と規定されています。この「修了した者」とは、「認定された教育課程の修了者(JABEEの認定プログラム修了者のうち文部科学大臣が告示した教育課程の修了者)」を指します。
「認定された教育課程の修了者」は、「修習技術者」となります。
「修習技術者」には、「第一次試験合格者」と「認定された教育課程の修了者」が該当し、技術士第二次試験受験に必要な経験を積めば、技術士第二次試験を受験することができます。技術士第二次試験合格後,技術士登録をすることで、技術士資格を得ることができます。
技術士試験の詳細につきましては、日本技術士会ホームページをご覧下さい。
日本技術士会ホームページ http://www.engineer.or.jp/index.html
記事掲載日:2011年05月20日 18:30
最終更新日:2011年09月16日 15:44