「専攻科2年松尾章弘さんがFIT(情報科学技術フォーラム)論文賞を受賞」

「専攻科2年松尾章弘さんがFIT(情報科学技術フォーラム)論文賞を受賞」

 本校専攻科電子情報システム工学専攻2年松尾章弘さんが,「リズムチューナ:アノテーション情報を用いないリアルタイム発音検出によるリズム練習支援システム」の題目で,FIT(情報科学技術フォーラム)論文賞を受賞し,9月8日(木)に開催された第15回情報科学技術フォーラム(電子情報通信学会および情報処理学会主催)において表彰されました。

 この論文は,本校電子工学分野山田昌尚准教授を第一著者として,松尾さん,本校情報工学分野土江田織枝講師,大阪大谷大学峯恭子氏の4人の共著です。

 松尾さんによると,この論文は楽器を練習している人たちを対象にした,リズム感を高めるための練習支援システムについて発表したものとのことです。以下,松尾さんの説明を掲載します。

 「この研究に取り組むことになったきっかけは,楽器の初心者がリズムを正しく演奏するのに苦労している様子からでした。演奏中の音の高さのずれはチューナーで確かめられますが,リズムに関してはメトロノームを使って練習してもどのくらいずれているのかが分からず不便なことがありました。そこで私たちは,演奏者が楽器で演奏した1つ1つの音の発音タイミングをメトロノームのタイミングとともにパソコンの画面に表示するシステムを開発してきました。この画面を見ることで,自分のリズムがどのくらい正確かを確認できます。今回,システムの動作に必要な発音検出の設定調節がこれまで手動だったものを自動化する方法を考え出すことができたので,9月に富山県で行われた学会(第15回情報科学技術フォーラム)で発表してきました。また,吹奏楽部員にこのシステムを使ってもらった調査結果についても同時に報告しています。この調査では,システムを使う前よりもうまく演奏できたという結果を得られた人もいました。今後はさらに多くの人に使ってもらうことでたくさんのデータを取り,よりよいシステムにしていくことを目標にしています。」

 松尾さんは,今年度釧路高専での7年間の学習・研究を終え,ソニーエンジニアリングへの就職が内定しています。就職先でも,本校での研究と吹奏楽部での経験を活かし,音楽の分野で,オーディオ機器やソフトウェアの開発等での活躍が期待されます。


「受賞を喜ぶ松尾さん(左)と岸校長」