研究発表会を開催しました(11月12日開催)

研究発表会を開催しました(11月12日開催)

 11月12日(火)に,釧路高専で定期的に開催している学内の研究者による研究発表会を開催しました。

講演題目:プラズマ – 材料相互作用解明に向けた分子シミュレーション
発表者:齋藤誠紀

*** 研究内容 ***
 磁場閉じ込め核融発電技術を実現するためには,プラズマが炉材用に接触するために生じる不純物の発生を抑えることと,炉材料への燃料粒子の蓄積を抑えることが必要になる。
 そのため,プラズマと炉材料の相互作用を詳細に解明し,耐プラズマ特性に優れた材料を開発することが求められている。
 炉材料の物理特性は,その材料の原子スケールの構造と材料に入射する個々のプラズマ粒子の動的挙動に起因しており,原子スケールでプラズマと材料の相互作用を解明することが必要である。
 そこで,分子動力学法[1]および二体衝突近似法[2]を組み合わせたハイブリッドシミュレーション[3]を行うことで,サブマイクロメートル程度の大きさの材料にプラズマ粒子が入射する物理系を原子スケールで数値計算する。
 本発表では,特に,炉材料としてよく用いられてきた炭素材に水素原子が入射する系について研究報告を行った。

[1]
S. Saito, A. M. Ito and H. Nakamura: “Reaction between Graphene and Hydrogen under Oblique Injection”, J. Appl. Phys. 110 (2011) 084320 (9 pages).
[2]
S. Saito, A. M. Ito, A. Takayama and H. Nakamura: “Binary-Collision-Approximation-Based Simulation of Noble Gas Irradiation to Tungsten Materials”, J. Nucl. Mater. 438 (2013) S895-S898.
[3]
S. Saito, A. M. Ito, A. Takayama and H. Nakamura: “Structural Change of Single-Crystalline Graphite under Plasma rradiation”, Jpn. J. Appl. Phys. 52 (2013) 01AL02 (6 pages).
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 今後の研究発表会も随時こちらに掲載いたします。
 一般の方も参加できますので,聴講を希望される方はご連絡ください。

申込・問合先

釧路工業高等専門学校 総務課研究協力室


研究発表会の様子