公開講座「佐藤 泰志『海炭市叙景』の世界」を開催しました

こんにちは!だんだんと雪も解けてきて,春が近づいているね!さて今回は公開講座の模様をお届けするよ!

令和3年3月14日(日)に釧路市中央図書館で公開講座「佐藤 泰志 『海炭市叙景』 の世界」を開催したよ。

釧路文学館の企画展「映画になった小説たち」の企画の1つとして,釧路高専と釧路文学館とが共同で開催したんだ。

この講座は佐藤 泰志の18編の挿話を集めた小説「海炭市叙景」と,2010年に公開された同名の映画を題材としたよ。

函館市出身の小説家 佐藤 泰志は,芥川賞をはじめとした文学賞に複数回ノミネートされながらも,受賞することがないままこの世を去ったんだけど,作品集刊行をきっかけに再評価されていて,様々な作品が映画化しているんだって。

この講座は「朗読」と「講義」の2本立てで行われたよ。

第1部は「朗読」。第1章「まだ若い廃墟」の一部が朗読されたんだ。朗読を担当したのは「リーディングサークルVEGA」のお二人。

職を失ったまま年越しを迎えた兄妹が,なけなしのお金でロープウェーに乗り初日の出を見た時のお話。山を歩いて下りると言って別れたまま戻らない兄を待ち続ける妹の,切ない心情が目に浮かぶようだったよ。

感染症対策を取りつつも朗読の雰囲気を充分に味わってもらえるよう,朗読者と参加者の間に透明なアクリル板を立てて,十分な距離を取るなどの工夫をしながら朗読を行ったよ。

第2部は「講義」。講師は一般教育部門の小田島 本有 先生。

佐藤 泰志の生涯に始まり,この小説が「海炭市」という架空の街として書かれた理由,作品に込められたテーマなど,様々な視点で語られたんだ。

小田島先生は「一見なんの繋がりもなく,無縁に見える登場人物たちは,実は生活のどこかで関わり合っている。『海炭市』という街はそんな無縁の集合体である」と話していたよ。

今回はこの辺で!またねー